Inside BuildIt

株式会社ビルディットのデザイナー・エンジニアによるブログです

デザイナー採用に明け暮れた1年で行き着いた「発信の積み重ね」のお話。

採用広報の大木です。
昨年から取り組んできたデザイナー採用をようやくゴールすることができたので、1年苦しみつつやってきたことをまとめます。

f:id:miyakmakij:20200518093450j:plain

💁‍♀️やったこと一覧 (成果順)

① デザイナー専門媒体 VIVIVIT に掲載した
- 媒体選定のポイント
- 媒体運用のポイント
② デザイナー系記事量産(もちろん質も大事)
③ ローカル情報サイトの活用
④ 採用ページ新設
⑤ 主催するIT勉強会「ゆるはち.it」をデザインテーマで開催
⑥ Wantedly にも掲載
⑦ (おまけ的に)Biz Reachにも掲載

八王子のWeb開発会社であるビルディットが、デザイナー採用に大きく動き出したのは昨年(2019)の4月。
そのときコアメンバーは、デザイナーはリードデザイナーの @uniq が1人、代表の @tmtyskを含むエンジニアメンバーが5人、そして採用広報の私です。より最適でクオリティの高いサービス開発をしていく上ではデザイナーの力が不可欠、ということでの増員でした。

当時IT業界未経験でビルディットに入社した私は、採用活動を開始してはじめてデザイナー採用の難易度の高さを知りました。そして本当にずっと苦戦していた…というのがこの1年の感想です。
とくに最初の4~5ヶ月は採用活動の企画に自信も手応えもなく、活動し続ければそのうち採用できるという気もせず、週次の報告MTGがとても苦痛でした…。

少し風向きに変化があったのは2019年末。
ちなみにその少し前の10月に1名(いまや頼もしい存在の @_akinen )が入社してくれているのですが、 彼が入社してくれたことは成果というよりすごくラッキーという感覚です。
それが昨年末ごろから、求人媒体、ブログ、Twitterなどを通して発信したメッセージが求職活動中のデザイナーさんたちに届き、そのメッセージがその人が持っているキャリアイメージの琴線に触れることができたかもと感じることが出てきました。具体的にいうと、求人媒体でのフォロー数や応募数が増えてきた、自社採用サイトのエントリーページの閲覧数が上がった、デザイナーさんからのTwitterフォローが増えた、などです。
ようやくこの時、活動の延長線上に採用が見えてきました。

結果的にこれまで2名のUIデザイナーが参画してくれ、このあとに1名の入社も決まりました。
ビルディットは全10名程のコアメンバーで、デザイナーとエンジニアが約半数ずつの組織になりました。
ちなみに、弊社はどんどん人数を増やしていく方針の会社ではない(代表富田のブログ参照) ので、当初から採用人数の最終ゴールは2~3名でした。目標人数が少ないことは、採用難易度にかかわらず採用適正コストや社内協力者から割いてもらう工数もなるべく最小限でと考えるので、勢いにまかせた活動ができない難しさがあります。

その他にも、八王子という郊外(勤務地としての集客力弱い)、小規模のベンチャー企業(ネームバリュー弱い)、受託開発メイン*1(プロダクトを売りにしにくい)がウイークポイントになりそうだなと考えました。

ここでちょっと自己紹介…

twitter.com

  • 2019年5月に採用広報担当として入社したアラフォー。
  • 前は全くの異業種(医療系コンサルファーム)で採用経験10数年、それ以前は人材営業などやってきた採用市場の古参兵。
  • 2008年(Twitter日本展開の年)から前職で人事ブログを新設して10年編集長をつづけてきたのが錦の御旗。しかしTwitter経験ナシ…(かろうじてアカウントだけはあった)。

IT業界知らない、Twitter初心者(ビジネスSNSといえばFacebook)、業務経験だけは長い中年。ちなみに社内で1人目の採用広報・非クリエイティブ職… ということで、客観でやばそうな臭いがプンプンしますね!

古参兵本人は現実に気付くまで謎の自信があったわけですが、ヤバイ気配は大当たりでした。
それまでTwitterは「なんとかなう。」みたいな誰の益にもならないことを適当につぶやくツールだと思っていたところに、いきなりTwitter転職が出現したり、3年以内で転職するのは敗者だと思っていたらIT業界では逆に10年も同じ会社にいるほうが怠惰とか(どちらも極論ですが)。
業界常識の違い以外にも、情報リテラシーの高さやissue単位での作業管理、GitHubでの業務管理など、
ツイテイケナイカモシレナイ………
と毎日思いながら、今に至ります。なんとかついてこれました。

それでは採用に直結した順に紹介します。

f:id:miyakmakij:20200518102019p:plain

①デザイナー専門媒体 VIVIVITに掲載した

媒体選定のポイント

デザイナー専門の求人媒体はいくつかある中で、弊社はVIVIVITを選択しました。
他に比較したサイトは4つほど、具体名は伏せますがクリエイティブ専門の求人媒体で比較検討しました。
(すごーく余談なのですが、「デザイナー 求人媒体」などで出てくる比較サイトを見ると、どれも上位に必ず◯◯ナビとかの大手総合求人媒体の名前が出てくるのがすごく疑問です…)

VIVIVITは学生さんに強みのあるチャネルとして知られていますので、数年のデザイン実務経験者を求めたい社内採用ニーズとのマッチングが懸念としてありました。調べるなかで新卒時に媒体利用した人が数年後の転職でもそのまま継続利用するケースがかなりありそうだと思ったことと、デザイナーの中でもWebデザイン希望者の割合が多そうに思ったこと、費用が少し安かったことが決め手でした。

他の媒体を選ばなかった理由は、費用もそうですが、ミドル層に強みのある媒体はデザイナーの場合、フリーランス志向の割合が多そうだったことも大きいです。
その時点のデザインチームは、チームを創り、バリューを定義して確立していこうという段階だったので、uniqさんと一緒にフルコミットしてくれる人を求めていました。
その部分で、例えば大きめの制作会社などで新卒で実務経験を積んで、2社目で自分の役割を広げていきたい若手層との親和性は高いと感じたのです。

媒体運用のポイント

ただ、有料媒体に掲載するだけで応募がくるほど、デザイナー採用は甘くありませんでした…🥺
募集要項をしっかり練るのは媒体問わず基本ですが、VIVIVITでとくに注力したのは2点、1つはダイレクトリクルーティング風機能の「話したい」を活用することと、もう1つは求人企業の「ポートフォリオ」として掲載される自社紹介コンテンツの運用です。制作実績だけでなく、メンバー紹介の記事や、社内でデザインをどのように考えているかやデザイナーの活躍がわかるブログ記事の紹介など、定期的に新しいコンテンツを公開していきました。

「話したい」は登録者の傾向をつかむまではほぼ毎日検索、自分の判断軸も怪しかったので要件からは多少外れていても幅広めにピックアップ、uniqさんに感想をもらって判断の確度を合わせて・・を繰り返しました。

ポートフォリオの更新は、ブログと連動してコンテンツを作っていくのが合理的です(ブログの運用についてこのあと書きます) 。
ポートフォリオには採用イベントの案内を載せている企業も見かけました。自社でもやりたいなと思っていたのですが、企画を練っているうちにコロナで立ち消えたので、今後募集再開するときにはやってみたいです。
VIVIVITからは2名を採用できました。

②デザイナー系記事量産 (もちろん質も大事)

弊社代表はエンジニアですし、エンジニアリング主体の会社というイメージに見られがちなので、自社サイトの採用ページ、ブログ、Twitter、とにかくデザイナー関連の記事を増やしました。
uniqさんの人柄やデザイナーとしての経験・実績がわかる記事や、エンジニアと一緒に仕事をする環境でどんな役割・立ち位置か、エンジニアに協力してもらってデザイナーの存在意義を語るようなインタビューなども出しました。

特に反響があった記事を紹介します。

inside.bldt.jp デザイナーとエンジニアの組織作りに伴走していただく役割に、デザイナーのイシジマミキさんをデザイン顧問にお迎えしていました。その第1段の取り組みであるデザイナー育成プログラムの創設やデザイナーのキャリアについて、 uniqさんとの対談を記事にしました。

inside.bldt.jp ブログの登場人物と目線や経験値が違いすぎると、どんなに良い内容の記事でも当事者的な共感を持ちにくいので、自分に当てはめて受け取ってもらえるよう若手メンバーを主人公にした記事も書きました。
面接にくる前に読んでくれた方が多く、「この記事を読んで少し安心できた」というコメントも何度かいただけました。

ほかにも、採用に直接関係しませんが、八王子に関係する企業や団体などのWebサイトでデザイン性に優れたサイトを探してそれについて社内のデザイナーメンバーが雑談する、という企画も作りました。
これは近隣の制作会社さんなどが見てくださり、座談会に参加してみたいなどの声をかけてもらうこともありました。 inside.bldt.jp

ブログは即効性はないものの、検索などで長期間にわたって流入経路として機能しますし、なによりカルチャーフィットする人材に対する訴求・意向あげが大きな効果です。

次は、採用に直結してはいないのですが、間接的に効いている(と思いたい)施策です。

③ローカル情報サイトの活用

郊外ならではの打ち手ですが、地域に密着した2つのチャネルに掲載しました。

1つは私設のサイト「八王子ジャーニー」。取材してもらっての掲載です。
他地域の方にはあまり知られていないと思いますが、地元グルメ情報やイベント情報がメインコンテンツで地元民にはかなり人気の情報サイトです。

8dabe.com

「八王子」で(なのに)「先端的なITの会社」を打ち出すことで、八王子在住・都心勤務のクリエイターへの訴求を狙いました。
今のところ「八王子ジャーニーを見て応募しました!」という方にはまだ出会えていないのですが、コーポレートサイトへのリファラルは常に上位にきています。

もう1つが公設の媒体で「はちおうじ就職ナビ」。自治体の産業振興管轄の部門が運営する無料の求人サイト。
求人広告会社の大規模媒体のような強い集客力はないのですが、八王子限定で仕事を探している人にとっては確度が高く、なにより掲載企業数が少ないので、丁寧に作り込めば一番目立つ求人にすることも比較的容易です。

④採用ページ新設

それ以前はコーポレートサイトのシングルページの中に採用情報も載せており、事業についての問合せも採用系も兼ねたコンタクトフォームが1つという構成だったので、採用を前向きに考えていることの表明と、気負わずに応募や問合せしてもらうために採用専用フォームがほしいと思い新設しました。

「デザイナーのいちにち」というuniqさんの1日のスケジュールを紹介するコンテンツをサイト内に作ったのも、応募者への印象付けになったようです。

bldt.jp

⑤主催するIT勉強会「ゆるはち.it」をデザインテーマで開催

2018年から毎月開催している勉強会でもデザイン回をなるべく増やしました。
今まで目に見えていなかった、近隣で活躍するデザイナーさんとの繋がりをつくれるチャネルになりました。

yuruhachi-it.connpass.com

⑥Wantedlyにも掲載

登録者層がニーズと合わないのではないか…という懸念はありましたが、VIVIVITのスカウト候補も底つきを感じた後半に掲載してみました。
こちらでもフィード(Wantedly内のブログ)の運用を意識することと、募集タイトルのキーワード選定に気をつけました。キーワード・タイトルごとにどれくらいの反響が出たか、どんなイメージで応募してくれたか(応募に実務未経験の人が多いか、フリーランス希望の人が多いかなど)を調べながら、キーワードを定期的に見直し効果検証しました。

成果としては反響の出やすい打ち出しの方向や、キーワードが想起させるイメージなどの蓄積ができました。
応募数にはつながりましたが、デザイナーの採用にはならず、ただ現時点でエンジニア採用でかなりワークできています。

⑦(おまけ的に)Biz Reachにも掲載

エンジニア募集でBiz Reachを利用することになったため、おまけ的にデザイナー募集も掲載しました。
ものすごくミラクルにタイミングが合ったのか、掲載した矢先に1人のデザイナーさんから応募があり、スピーディに内定まで進みました。
結果的にここから1名を採用できました。

----- 🐒 -----

ご紹介する採用施策は以上です。

通年採用など数年単位で同じ職種を募集することはこれまでもたくさんありましたが、限られた募集人数にこれだけの時間と工数をかけ、しかも採用見込みの確信も長らく持てず…という状況は、実際よりとても長い道のりに感じました。

掲載媒体の多用や、エージェントへの依頼など、コストをかければ大抵は手っ取り早く人材確保できる、というのも、世の採用の側面の1つではありますが、そういう採用もこれまで散々やってきた経験から振り返ると、採用単価と工数、採用人材のカルチャーフィットや定着の面などで、今回その手法では良い採用はできなかったと思います。

感想。苦戦もチャレンジとして楽しむが吉

結果が出ずに無駄だったのではと思う施策もあり、けっこう苦しんだのですが、募集タイトルやキーワードに関するナレッジの蓄積ができ、ブログによる情報発信の蓄積ができ、それが結果に結びついたと考えれば、もっと苦戦の状況を楽しんだほうが良かったと今では思っています。

今は、エンジニア採用に注力をしているところです。
デザイナー向けの発信をかなり増やしてしまって情報のバランスが崩れてしまっているので、急いでエンジニア向けの記事を量産していきます。
今回はこの情報発信の積み重ねと効果検証のプロセスを楽しんでやることにしています。

長文を読んでくださりありがとうございます。
お読みくださった中には、エンジニアやデザイナーさんでビルディットに興味を持って読んで下さった方もいると思いますが、これまでに書いた施策の1つ1つにアドバイスしてくれたり、協力してくれる良いメンバーが集まる会社とお伝えしたいです。
ぜひご応募ください!

bldt.jp

*1:2020.5現在では自社事業開発が始動しています