本企画は、八王子好きなビルディットのメンバーが八王子に関わるさまざまなイケてるデザインを探してワイワイと紹介する企画です。
さかのぼること4か月ほど前、八王子にもなかなかカッコいいクリエイティブがあるよねという雑談の流れで、それらを集めたショーケースを作ってみたい・まずは月1回くらいのペースで、八王子界隈で見つけたクリエイティブを出し合って語る機会を作ってみよう!という話になり、まずはブログで(勝手に)紹介してみることにしました。
昨年末に紹介した第1回の記事では、主役のクリエイティブの前に、それらの背景として存在する八王子界隈で活躍する人々の、この土地への愛着や想いがまずスゴイ✨✨、ブランディングや企画がすごくイケている!ということにみんなで驚いたことが印象的でした…。
メンバー紹介
前回に続いて今回もこのメンツで!
🦄イシジマミキ (デザイン顧問)
🐶石崎 (リードデザイナー)
🦊佐野 (エンジニア)
🐧小澤 (デザイナー)
🐷大木 (広報)
目次
🐷今回はいろいろ迷ったすえに…、地元の企業やNPO法人のWebサイトをご紹介しようと思います!
まず1つ目は、
DIY不動産
(かってに)概要説明。
🐷サイトの運営元は、八王子や周辺地域に特化した不動産会社である「エスエストラスト」さん。
こちらの会社、「不動産屋がここまでやるか」を合言葉に、とってもユニークな取り組みをいろいろされているよう。
賃貸物件は普通、解約するときは原状回復が基本。DIYなんてしたら後が大変と思いますよね。
それをエスエストラストさんは 「せっかく自分の大切な時間を過ごす場所なんだから、楽しく自分らしく住んでほしい。たとえば好きなようにDIYできる部屋とか…」という考えの元で、 「DIYしても良い専用物件」という新しいコンセプトを大家さんに提案して、承諾してくれた物件を集めてサイトを作ったのだそうです。
🐷八王子は言わずとしれた大学生が多い街ですが、その学生さんたちに大人気の物件となって誰かが解約しても友達紹介ですぐに埋まってしまうとか。
今ではほとんど市場に出てこなくなってしまって、このサイトも契約済みばかりになってしまったので、アーカイブ的な存在になっているそうなんですが…。
ちなみに、DIY可能な物件になっているのは駅から少し距離があったり築年数が古くなっていたりという一般的には埋まりにくい物件が多いようです。そんな物件の空きがほとんど出なくなったという。
🦄すごい! ブランディングとデザインで空き家問題解決 しちゃってますね。
これはサイトのデザインの良さ以前に語るべきところが満載すぎでは?!
🐷もうちょっと説明を!
このエスエストラストさん、他にもいろいろ取り組まれているようなんですが、それがまたユニークで!!
🐷八王子市民の間ではたぶん一番有名なのが 「看板」 です。
サイトの前に「看板」のお話
🦊(八王子民)知ってます知ってます〜
🐶(埼玉民)え?みんな知ってるの?どんなコンセプトなんでしょう?
🦊サイトの説明では、「不動産屋がここまでやるか」というコミュニケーションワードのもと、八王子エリア全体を盛り上げるためのユニークな取り組みを行っている。と書いていますね。
🐶🦄🐧へ〜!すごい!
🐧この看板のコピー、 コピーライターの仕事が前面に押し出されていますね。思わず目がいってしまう。
🦄マーケティングでいう タッチポイントですよね。看板に触れる人のシーンや状況を意識して、そこに即したコピーライティングをしていますよね。 直接的に会社の名前を知ってもらうのではなくて、まずアテンションをとってから、次に別のタッチポイントがあったときに「あの看板の会社だ」とそこでさらに強く印象付けるという。
このコピー誰が書いているんだろう…調べ…
あ!!これロッカクさんなんですね?!
🐶ロッカクさんといえば、八王子の新しいブランドコピーの「 あなたのみちを、あるけるまち。八王子」のコピーも手掛けられていますよね。
🐧サイトの話まだ全然していないのに、「看板」だけでデザインの要素いっぱいありましたね。
━━まとめ
「広告」の定義を定めたうえで実践していてさすが。潜在ユーザーとのタッチポイント、シーン、属性を強く意識したライティング。Attentionの意義を強く持ち、費用対効果をすぐ求めず長期的な投資という認識でいる、クライアントの戦略の意識の高さが伺えてすご味〜✨
🦊この看板を紹介しているページの一番下に、年度ごとの事業報告のような資料のPDFを見られるんですが、それもすごく凝っていておもしろいです。
🐧ほんとだ、事業報告というより「ここまでやったぞレポート」と書いてあり、来店したお客さんや採用用の資料でしょうかね。
🦄八王子で生まれ育って、八王子で働きたいと思っている若者からすると、ここまで地域に根ざしてしかも全国的にも話題になるようなおもしろい取り組みをやっている企業は魅力的でしょうね!これは自分の働く会社がこんなイケてることやっているのは社員も嬉しいだろうな。
🐶八王子愛のあるメンバーが多そう。 地元である八王子のいい会社で働き、地域に貢献していけるっていう文脈がいいですね。
🐷ではそろそろサイトの話に!
こんどこそ、DIY不動産のサイトについて💁♀️
🦊WordPress で作られていますね。
🐧枠の色であるオリーブグリーンがベースですね。ロゴが4色くらい使っていてカラフル、その カラフルさがDIYのイメージにつながる印象です。
🦊「DIY不動産とは」を読むと、「日本の古民家だって欧米のビンテージハウスみたいに。」がコンセプトメッセージと書かれてますね。
🐧ビンテージハウスで画像検索してみると、「緑の中に木製の家」のようなイメージが出てきました。
🐶 昭和っぽさと北欧っぽさを感じるレトロカラーですよね。
JAFCA | 一般社団法人日本流行色協会 | Color History
が年代と流行色の関係を年表にしていますが、それを見ると1960~1970年代くらいに流行したアースカラーで構成されているのかな。
レトロな色合いが中古物件のニーズとマッチしている感じですね。
🦄ロゴデザインが本当に凝っていますね。漢字の扱いにこだわりがありそう。昭和レトロタイポグラフィの特徴で、縦が太くてハネに特徴を感じます。 縦2段組みにしてることで、形から「家」のイメージが浮かぶのと、 「DIY」と「不動産」というまったくコントラストが違う2つの文字が見事に一体化しています。
🐷見せ方、扱い方を変えただけで、空き物件という問題が解決されてしまってるのは圧巻です!
━━まとめ
特筆すべきはロゴグラフィック。全体は家のモチーフだと思われる、ドアや屋根を想像できるオブジェクトが欧文に使われています。それに対して和文はトメ、ハネ、払いを特徴的にした昭和のタイポグラフィを再現していてステキ。それぞれ独立した個性を作っているので2つをまとめあげるのに、2段で組んでいるのでしょうか。バランス間隔が美しいです。
🐷DIY不動産、サイトそのもの以外の話題性がすごかったですね…! さて次にご紹介するのは、また地域課題に関連したネタで、不動産という括りでも親和性のある…
AKITEN
(またまたかってに)概要説明。
🐷こちらの主役は、八王子の商店街の深刻な問題となっていた 「空きテナント」です。
空きテナントが街中に出現すると、そこを訪れる人の数がそのテナントの分減少して、近隣店舗にもその影響が及んでしまう。
そこからさらに空きテナントの増加にも繋がり、更に集客が減り、、という負のループがうまれてしまう。
そのことを デザインの力で解決しようという活動をしているのがNPO法人のAKITENさん。ということです。
「メンバー」のページに紹介されていますが、代表者は八王子市議の及川さんという方、他の方も同年代で八王子出身のクリエイターの方々が関わっていらっしゃいますね。
地域課題解決に向けた、デザインからのアプローチ
🦄へ〜!!こちらもサイトのデザインもさることながら、 デザインやブランディングを駆使した課題解決の事例としても素晴らしいですね!
この取り組みの中の当事者は、どういう人がいると思いますか?
🦊テナントのオーナー、空きテナントをギャラリー利用して自分の作品を展示する人、その商店街に訪れる人、の三者でしょうか。
🐧その三者の誰にとってもHappyがある仕組みですね。ほんとに 三方良し。
1番目当てにしていた店舗がなくなってしまったときに、長く空きテナントのままだとその場所自体にあまり魅力を感じなくなりそうですが、そこに デザイン性のあるギャラリーができることでその後の発展性を感じることができそうです。
🦄街並みの中に、何か新しくて今の時代に合っているもの・新鮮なものがあると、それが自分にはあまり関係なくても自然に嬉しいと感じたりしますよね。
🐧これまで開催されてきたイベントが紹介されているんですが、どれも普通ではあまり体験できないような、面白そうな企画がたくさんありますね。
漢字をデフォルメしたロゴデザイン
🐶サイトはシンプルな造りですが、こちらもロゴデザインがかっこいいですよね。
漢字にデザインを入れて、直線だけれどひんやりしたクールなイメージではなく、身近に感じます。
角にすこし墨だまりをつくっているようなのが、そう思わせるのかな…。
🦄日本の漢字をモダンにデフォルメして扱うという昨今の潮流がありますよね。
有名どころをあげると、森美術館、現代美術館、新幹線の「現美」のロゴなど思い浮かびます。
それらは共通して、 ミニマルであり、アジアの個性もありつつ、グローバルにも対応しているという点が素晴らしいですよね。
🦊サイトから自分が感じたイメージなので、正解かどうかはまったくわからないんですが、、
AKITENとDIY不動産との絶対的な違いは、DIY不動産は部屋を自分らしくカスタマイズして、より愛着を持つというコンセプトですよね。それに対してAKITENは、空いているテナントをちょっとの間借りて使わせてもらう、いわば空いた店舗をほとんどそのまま、打ちっぱなしのような空間の状態で間借りする、という感じ。
そういう 手を入れるにしても必要最低限、という文脈が、AKITENのサイトのデザインに反映されているように感じました。
🦄まさにそうですね!
空きテナントから想像できるモチーフをしっかりウェブサイトのグラフィックデザインに落し込んでいるのが印象的ですね。トップページ、テナントのスケルトンな写真と、それに通じる柱や引き算の印象がモノトーンのカラーや細みの文章に表われているなと感じました。
━━まとめ
NPO法人の活動ということで、取り組む地域課題とその解決手法が、サイトにも明解かつ的確なデザインで表現されています。空きテナントで企画される各種イベントや、地域企業との交流イベントなども非常にユニークな視点で、地元に対する理解がとても深いことも伺えます。
Webサイトはコンテンツなどもシンプルで必要最小限でありながら、使われている画像やロゴも含めたグラフィックデザインにより、主役である空きテナントを創造性や発展性のあるものとして表現しています。
「空」の漢字をデフォルメしたロゴデザインは、直線的でありながら角に墨だまりが施されていることでどこか親密性があり、こだわりと愛着を感じます。
🐷はい!今回もお付き合いありがとうございました!
今日はなかなか内容の濃い、2つのサイトが題材となりました。実は3つ目も用意していたのですが、あまりに前半2つの内容が濃かったので、次回ご紹介することにしました。
八王子界隈のデザインを集めたショーケースを作れる日まで、引き続き八王子界隈のカッコ良いサイト探訪でワイワイしてください!
🦄🐶🐧🦊 はい!
⭐️最後に宣伝です
八王子の株式会社ビルディットでは、現在、デザイナー・エンジニアを募集しています。
ご興味をお持ちくださった方はお気軽にご連絡ください!
※本記事に掲載している画像は、以下サイト内より参照し使用させていただきました。
DIY不動産
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AKITEN
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JR東日本旅客鉄道株式会社 新潟支社
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