Inside BuildIt

株式会社ビルディットのデザイナー・エンジニアによるブログです

社員全員が「経営」を真剣に考えた話

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昨年の第5期で「一人ひとりの成長が、世界をより良くする」のビジョンと、そこから連なるミッション・バリューも含めて、コーポレートメッセージを刷新したビルディット。

第6期の今年は、企業価値と組織力の向上を目的とした、社員全員参加での経営・財務の最適化への取り組みを進めています。

そのなかで今回紹介するのが、6月から開始した「パワーアッププロジェクト」です。

会社の業績のみならず、個人の能力においても現状よりさらに上を目指す目標を立てて、確実に達成するためのアイディアを出し合い、全員で自らチャレンジを行い、具体的な行動戦略を立てて遂行していく。

これがパワーアップ(以後、PUPと表記)プロジェクトの定義です。

この取り組みで一番初めにやったことは、社員全員で決算数字の見方やポイントなどを学ぶ財務勉強会でした。

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財務勉強会は専門家を講師にお招きして実施しました。

創業時から月次会で全体の営業数字や財務状況の共有をしていた当社ですが、その理解に関しては個々に任されていました。個人的には共有による安心感はあるものの、数字について意見などは特になかったのが正直なところです。

なので財務勉強会で専門家にわかりやすく講義をしてもらい、当社のような業態の場合、どの数字がどんな意味があり、どの数字をどう改善すれば良いかなどを詳しく知る機会はとてもありがたいものでした。

ただ、もしその勉強会だけでそれが終わっていたなら、数ヶ月後の今そのほとんどを忘れていた自信があります。。

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はたしてPUPプロジェクトはここから本番でした。

決算数字を理解し、これから数年のビルディットの会社全体の目標の共有を受けて、まずは経常利益の向上に取り組むべきと認識を一致させた社員全員で、経常利益向上のために今やりたい取り組みを挙げていきました。

全員の意見をカテゴリ分けし、5種類の具体的な方針(=5プロジェクト)を設定しました。

一旦、取り組み期間を約3ヶ月と設定して、1プロジェクトにつき各2名で担当し、代表の富田は直接プロジェクトには入らずにオブザーバーとしての参加です。毎週の定例MTGで全員で進捗報告する形で、プロジェクトが始動しました。

各プロジェクトをざっと紹介します。

節減可能経費の削減

目標:昨年同時期比10%の削減。

アクション:現状の経費の洗い出し、用途の確認、不要なものは解約等。

戦略経費の適正化

目標:売上を上げるための費用として適正に活用する。

アクション:これまであまり使えていない費用のため、予算立てと目標立て・成果測定の設定からスタート。

効果的な人件費運用の仕組み作り

目標:個々の成長促進と、チームワークが発揮できる環境・仕組みをつくり、生産性を向上する。

アクション:顧客満足度調査を行い、自分たちが保有する価値やこれから新たに強化したい分野を確認する。各職種ごとに技術力向上の目標を立てて、生産性および自己評価を向上させる。

原価率の最適化

目標:内製と外注のバランス、外部発注を適正化する。

アクション:外部委託しているプロジェクトについて個別にふりかえりし、運用状況を確認、活性化を図る。

自己研鑽の年間計画

目標:自己研鑽を計画的に運用し、成果を向上する。

アクション:これまで各自で運用していた1日1時間の自己研鑽時間(もくもくタイム)に、目標設定と計画性を導入する。無理なくより良い学びの時間にできるよう仕組みを起案する。

特筆したいのはこのプロジェクトを進めたのは、エンジニア、デザイナー、広報の3職種のメンバーです。(それしかいないのです💦)上のプロジェクトに関連することを普段から仕事にしているメンバーはいません。

活動しながらいろいろな課題が出てきましたが、プロジェクトチームで解決できないときは週1回行う定例MTGで皆に相談したり、オブザーバーの富田に助言などもらいながら進めていきました。

「具体的な数字の改善目標を立てて、達成する」という取り決めがあったため、数字で測りにくいプロジェクトはかなり苦労しながらも、3ヶ月が経過しました。

紆余曲折しながらもチャレンジした活動の成果は以下となります。

▶︎ 削減につながった経費や原価の合計

  • 45万円

▶︎ 社内の経費等の適正化をはかるために新しくできた仕組み

  • 使用サービス等の定期的なチェック体制

  • 顧問・外部委託業務の定期的なふりかえり

▶︎ そのほか最適化のための仕組み

  • 戦略経費としての予算

  • 生産性向上に向けた、顧客満足度調査の運用

  • 自己研鑽計画

この成果の数字は皆のモチベーションにかなり火をつけてくれました。

本業の傍らでのプロジェクトで、それぞれの負担は決して小さくなかったですが、先日行われた「ふりかえり」では、「今後も継続したい(プロジェクト内容は随時変更しながら)」という意見に全員一致でまとまりました。

ビルディットのような小さな組織では、全員が経営に参加すると目に見えるインパクトや手応えがあり、それが経営を最適に維持するためにとても重要だということを、全員が実感を持って知った機会でもありました。

この経験を通して、月次会などでの比較的新しいメンバーを含めて全員の意識が主体的に切り替わったと肌で感じます。

エンジニアやデザイナーの人々の中には、常に実際に手を動かし続ける職人のように自分の技術の中だけを見て生きていきたいと思う思考の方もたくさんいると思います。

ビルディットは創業以来、「自分の腕を磨き、切磋琢磨し続ける」ことを是としてきました。その信念と今回の取り組みは相反するものではありません。

そんなふうに、自分の技術はもちろん組織創りの能力向上・仕組みづくりまでを自分自身の切磋琢磨と考えるメンバーの一員であることを誇りに感じ、とても良い成長の機会になりました。

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最後に、弊社の財務勉強会やPUPプロジェクトを外部から手厚く指導してくださったLSアカデミーの渡辺講師と、弊社のビジョンや取り組みを深く理解してくださった上でいつも的確な助言をくださる税理士の佐久間先生に深く感謝申し上げます。

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