Inside BuildIt

株式会社ビルディットのデザイナー・エンジニアによるブログです

新卒が活躍する、裁量ある仕事環境のつくりかた(WIP)

最近は自社プロダクト Stockr のプロダクトオーナー業とビルディットの会社経営に勤しんでいる tmtysk です。前回の記事で、新卒メンバーが入社から約半年間の業務で体験したことを話してくれていました。たった半年ほどではありますが、彼らの驚くべき成長スピードには、本当に良い刺激をもらっています。

さて、私は、既に不惑の齢を過ぎてはいるものの、創業時(というか前職時代)から学生や若いメンバーと仕事をすることには慣れていて、というか、どちらかというと好きな方で、彼らと一緒に仕事をしていく中でグイグイと成長していく姿を見ることが本当に嬉しい。心底うれしい。

弊社が人材教育領域に特化した開発会社ということもあり、メンバーの成長・学習意欲も高く、(もちろん、そのように会社・採用をデザインしているわけではありますが、)良いご縁に恵まれていて有り難いなと思う今日このごろです。

とはいえ、ふと客観的に前回の記事を見てみると、「半年で新卒がココまでやってる&語れるの、凄くないか?」と手前味噌ながら感心することひとしおであり、「どんな育成・業務環境を敷いているのだ」ということを語っておくのは、私にとっても、読者の方にとっても多少なりとも有意義なのではないかと考え、今回久々に筆をとることにしました。

「若手が育つ環境づくり」私も、まだまだ道半ば - Work In Progress ではありますが、関心を持っていただける方にお読みいただけると嬉しいです。

「社員の成長が、会社の成長になる」という信念

私たちのようなソフトウェア開発会社は、見方を変えればサービス事業者。会社の成長を生み出す価値の源泉は、人の手によって生み出されるソフトウェアであり、ソフトウェアを生み出す能力は社員の成長からもたらされると言って良いでしょう。

私は、「ただ、仕事を回すために社員教育したい」のではなく、「社員の育成を通じて、成長をつくりだし、それが会社の成長になる。それを分かち合いたいのだ」という出発点を置いています。人と向き合い、育成していく過程にはさまざまなことが起こりますが、ココを押さえ続けられるかどうかって、とても大切なことだと思っています。

志向性に向き合う

新卒のメンバーとは、昨年の10月から1ヶ月に1度のペースで内定者インターンを重ねてきました。内定者インターンは、当社で独自に組んだカリキュラムで、毎回1日程度かけて、事前課題の発表、講義、ワーク、ワークの発表などを盛り込んでいました。ランチや、ときには夕食も一緒に行っていました。

このときの課題発表や、講義の聴き方、ワークへの取り組み方そして食事の際の雑談などから、「彼・彼女は、どのような環境で成長できるのだろう?」という観点で、入社後のポジションや関わり方を考えていきます。

具体的には「課題発表の資料の仕上がりがきっちりしている。自分で決めた計画を、計画どおりに遂行していくことにコダワリを感じる」というようなメンバーであれば「セルフコントロールしやすい状況、整理された環境を好むのだろう。そうであれば、情報伝達の際に、できるだけゴールや材料を整理して伝えられると良いのだろう」ということになります。

他方「勉強熱心で、よく本を読んでいる。思考力が高く、物怖じせずに他者に意見を出せる。」というようなメンバーであれば「独立心・起業/経営マインドが高いのかもしれない。そうであれば、本人が決めていそうな天井よりも少し高めの、広めの裁量で仕事を任せることで、やりがいをもって仕事に取り組んでくれるだろう」ということを考えます。

もちろん、これは仮説であるので、実際に関わる際には、それが本人の意にそぐわない関わりになっていないかを確認していきます。当社では、メンバー間を含む1on1や、社外コーチからの関わりの仕組みも運用しているので、状況を見ながら細かく調整をしています。

相手がどのようなタイプなのか?どのように関わると良いのか?という点については、さまざまなやり方がありますが、私が意識しているのは、DISC理論による分類と、選択理論心理学で語られる「5つの基本的欲求」です。いずれも、社員全員にアセスメントをしているわけではないですが、このようなコミュニケーションタイプの分類や、欲求プロフィールの違いを知っておくこと、そして、それを意識した関わりをしていくことは、育成やマネジメントにおいて、有効に機能すると考えています。

放置せず、委任する

私たちのような少人数の企業では、大企業に比べると「裁量の大きさ」が魅力に映ることがありますし、採用活動においてもそのように打ち出すことがあります(大企業と比べられてしまうと、そもそも打ち出せる魅力が少ないのですが..)。

一方で、ただでさえ少人数の世帯に新卒をお迎えし、猫の手も借りたいというのも正直なところ。つい気を緩めてしまうと「放置」になってしまいかねません。しかし、大切なのは「放置」ではなく「委任」。ここは、書きながらも、自戒を込めてお伝えしていきたい点です。

リーダーシップ開発の5段階 というものがあり、そこでは、下記のように語られています。

  1. I do. You watch. We talk.
  2. I do. You help. We talk.
  3. You do. I help. We talk.
  4. You do. I watch. We talk.
  5. You do. Someone else watches.

これくらい丁寧に「委任」をしていけると良いのですが、実際のところはなかなか難しい!そこで、これを意識しつつも、実態としては「感謝して、信じる」「細かく気にかける」「フォローする」といったステップになっていることが多いです。

ここで、「フォローする」を分割してみると「任せられる範囲を見極める」「『ココは任せた!』と伝える」「任せにくい部分について、他者の力を借りられるようにサポートする」といった要素になってきます。

たとえば、前回の記事では、新卒のメンバーにスクラムマスターを任せているという下りが出てきますが、当初は私がPO兼任でスクラムマスターをやっていました(それがどういう副作用を招くかは承知の上で)。その進め方を彼に十分みてもらった上で、まずはデイリースクラムのファシリーテーションのみを委任し、ときには進行に関するフィードバックも入れながら、少しずつ裁量を広げていっているところです。

「委任」は、いわゆる「自分がやったほうが早い病」との闘いでもありますが、今のところ、新卒はもちろん他の社員にも助けてもらいながら、なんとか新卒育成の場を運用できています。ありがたや!

まとめ

ビルディットでの新卒受け入れと、彼らの育成の現場で考えてきたこと・やってきたこととして、「信念」「個人に合わせた関わり」「委任」について、お伝えさせていただきました。読者の方の現場で参考にしていただけることがあったら、嬉しく思います。

また、こういった環境で、高い志をもち、学び、一緒に社会の健全な成長を創り出していきたいという方、いらっしゃいましたら、ぜひ弊社の募集をチェックされてみてください。「周りに紹介したい人が居る」という方のご紹介も歓迎でございます。よろしくお願いします!

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最後までお読みくださり、ありがとうございました。