EdTech(エドテック)・・・Education(教育) × Technology
ビルディットは教育・育成事業のシステム開発やDX推進を強みとしています。
近年、学校などの教育現場や、企業での人材育成の場面でアプリやWebサービスの活用が増え、またCOVID-19の感染拡大によるリモート化が急加速するなかで、EdTech領域はこれまでにない盛り上がりを見せています。
今年もさまざまなEdTechに関わっていきたいメンバーが集まり、EdTech座談会を行いました。 座談会のお供は、昨年11月に発表されたeラーニングアワード2020フォーラムの受賞結果です。国内部門で23の企業・団体が表彰されており、一覧を眺めているだけでもいろんな興味がわいてきます。
eラーニングアワードとは
一般社団法人e-Learning Initiative Japan(eラーニングに関する学術および技術振興を目的とした団体)が主宰するeラーニング業界を盛り立てるイベントです。 2011年より開催されています。
座談会メンバー紹介
富田・・・ビルディットの代表。子供から社会人、生涯を通してと、年代問わず幅広い成長や教育育成の仕組み作りに高い関心を持つ。毎月おこなっている全社員との1on1でもコーチングを活用し、個人の成長に寄与できるように心がけている。
荒木・・・エンジニア。幼児教育を運営する企業の基幹業務システムの大規模プロジェクトを担当。業態に起因する様々な特殊ケースに精通する。
uniq・・・デザイナー。社内研修や企業の人材育成の在り方を変革させる研修フォローアップシステムCore(株式会社ウーシア様) のUX/UIデザインを手掛ける。
座談会!…の前に。
いつものメンバーではありますが、アイスブレイクをしました。 全員、新しいツールのお試しが大好きなので、今日も初めてのツール「emochan」
感情をシェアするチームメイキングツール(カードゲーム)というコンセプトです。 一人ずつ、何種類かの感情カードから今の気分に合うものを選び、そのあとで一人ずつそのカードを選んだ理由などを1分くらいで話していくというもの。
どきどき、とか、わくわく、とか選びました。
これはいろんなオンラインMTGやコミュニティなんかでやるとすごく良さそう!という好感想。ということで完全にアイスブレイクされました。
では。話していきましょう!
気になるEdTechトレンド1. コンテンツ×テクノロジー
富田:受賞プロダクトの詳細情報が載っていないものもあるので、わかるものを中心にざっと見てみましたが、もともと学習や研修などの教育コンテンツをもっている企業がEdTechに乗り出した例がけっこう目に入りますね。
株式会社スキルアカデミー「自律学習システム(SLS)」
人財育成特別部門賞受賞
荒木:なかでも興味をひいたのがこちら、スキルアカデミーさんの社会人向けのサービスです。もともとeブックという学習コンテンツが主要事業ということで、コンテンツが強いというのは強みですよね。
富田:自律学習・自己評価するプロダクトですね、なるほどー。
uniq:評価結果のチャートも紹介されていますが、なるほどこういう評価軸で、こういう意味づけをしているんですね。勉強になるな!
弊社が開発運用のお手伝いをしているウーシアさんのCoreでも、どう意味づけをして、どんなチャートで見せるか、というのがとても難しいところなんですよね。ダッシュボードの見せ方、ビジュアライズの部分は長い時間をかけて議論している部分です。
富田:上司の1on1サポートというのもある。こういうコミュニケーションのサポートもトレンドですよね。どうやってやっているのかまでは書いてないな。興味がある!
凸版印刷株式会社/株式会社フレーベル館「できるーと」
ニューノーマル特別部門賞受賞
荒木:コンテンツありきのプロダクトということでは、凸版印刷さんの子供向けのサービス「できるーと」も気になりました!
老舗の出版社であるフレーベル館さんがコンテンツ提供されているんですよね。それがすごいな。
富田:すごく楽しそうなアプリ、LPの雰囲気もとても良いですよね。
そしてコンテンツだけじゃなくて、「おうえんアプリ」という保護者が適切な教え方とほめ方を確認できるサービスがあるんですよね。親としてはこういう関わり方を知りたいわけですよね。
uniq:スキルアカデミーさんの「上司との1on1サポート」と通じるものがある。年代問わず、そういう関わり方・コミュニケーションのサポートは確実に注目されていますよね。
富田:1on1を運用する企業はすごく増えてきているんだけど、どんな話をしたらいいかわからないという課題はいろんなところで聞きますね。そこをAIとかのテクノロジーでサポートするのが求められているんだな。
荒木:集合研修 ICT 活用特別部門賞を受賞している、アルー株式会社「『育成の成果にこだわる』新入社員向け職場での個別指導クラウドサービス 自己成長力支援サービス」というのも、コンテンツによる研修・学習と、AIを活用した個別最適化と書かれていてコンセプトは似ていますね。詳細まではわからないけども。
対象によって変わる、価値提供の「角度」のちがい
富田:当たり前ではあるけど、社会人向けのプロダクトと子供向けのプロダクト、LPの雰囲気が全然違いますよね。個人的にはできるーとのLPの雰囲気はすごく好きだな。社会人向けでもこういうLPじゃダメなんですかね?
uniq:LPを見せる対象の違いかなと思います。単に年代という意味ではなく。 社会人向けのプロダクトはほとんどの場合、サービスを実際に使う人が選ぶのではなくてその企業の上層部や人事担当者が選びますよね。 そうすると、選択する上で重要な焦点というのが、ユーザーが本当にそのサービスをしっかり使うかどうかではなくて、わかりやすく成果が出るかどうか、という点で見られると思います。そういう観点では、面白そうな・やりたくなるようなサービスかどうかよりも、むしろ真面目そうな・堅そうなサービスの方が良いし、稟議にも上げやすい…笑
反対に、子供、特に幼児向けのサービスの場合は、成果が出るかどうかなんて最初からそこまで気にしないですよね。まずは子供がやってくれるかどうか、興味をもつか、続けられるか、あたりが重要になります。 楽しそうなLPだったら、見て選択するのは親でも、これなら楽しんでやってくれそう、という印象に繋がる。 LPの目的の違いが出ているなと思います。
荒木:なるほど、たしかに。 大人の世界の研修は昔から「やってる感」で判断されがちですよね。。 正直、あまり良くない慣習だと思うけど。
でもEdTechがいますごく盛り上がっていて、研修をいかに「実践」に役立てるかということをいろんな人たちが研究しているので、これからは大人の世界も「ユーザーの視点」が本当に大事だという流れになりそうだな。。
気になるEdTechトレンド2. コミュニケーション×テクノロジー
富田:上でも話しましたけど、人のコミュニケーションに対するITやAIの活用は確実にトレンドに上がってきていますね。
ハイラブル株式会社「オンライン授業・研修の見える化サービスHylable」
厚生労働大臣賞受賞
荒木:面白いサービスですよね。 MTGや話し合いの活性化状況を見える化するんだな。 コミュニケーション自体のサポートではなくて、実態や実績を見えるようにして自分でも振り返ることでスキル向上にも役立つということかな。可視化という部分までは「やってる感」系かもしれないけど、たしかにオンラインMTGは、タイミングよくしっかり発言する人、間がつかめなかったりして発言しにくいと感じる人の差が顕著だから、あとで振り返れるものがあるといいのかも。
富田:こういうサービスは技術的にもとても面白いと思う。 少し前でも、人の会話などの音声認識は環境に左右されたり非常に不安定なものだったと思うけど。音響の技術進歩ですよね。
(こちらの音響技術についての研修レポートをしばらく眺める・・・)
コミュニケーションを技術でサポート
富田:今回のeラーニングアワードとは関係がないのですがコミュニケーションのサポートという観点でこのサービスも興味深いと思っていたんですよね。
uniq:これは1on1や、上司と部下のコミュニケーションに振り切っているんですね。コミュニケーションを解析して、課題や改善点をサジェストしてくれるのはすごい。
Coreでも、部下が受けた研修レポートやその後の振り返りに対して上司がコメントできるUIがありますが、その活用にはやっぱり課題がつきものという感じです。
AIがサポートする範囲と、人が手を動かす範囲をいかに現実的に繋ぐかが難しいんですよね。
富田:たしかにね。いろんなサービスのUIを知って探っていきたいですよね。 別の観点でのコミュニケーションのサポートでは、最初にやった emochan もとてもいいですよね!
大賞受賞作品
荒木:最後に大賞をみましょう!
atama plus株式会社「生徒一人ひとりに学びを最適化するAI先生『atama+』」
日本e-Learning大賞受賞
富田:学習の個別化・最適化がテーマで、コンテンツ×テクノロジーのサービスですよね。 ただコンテンツは外部がもっている。学習塾や予備校に導入してもらうことで、そこでの学習効果がより高まるようにAIで個別最適化してくれるんですね。
荒木:サービスページを見ていたら純粋に使ってみたい気持ちになりましたね。 できることや価値の説明がすっきりして洗練されているし、動画も非常にいいですよね。 仕組みの説明にも書かれていますが、学習単元というのはもともと完全に体系化されているから、理解があやしい問題の大元はどこなのか、というのが割り出しやすいというのもありますね。
富田・荒木・uniq:かなり駆け足で見て話しましたけど、なかなか面白かったですね!!
まとめ
2020のEdTech界隈のトレンドとして感じたのは大きく3つありました。
- AIとVRという技術的なトレンド
- もともとコンテンツを売りにしていた実績あるHR企業がDXに乗り出してきているトレンド
- COVID-19によってオンライン化が急加速する中で浮上してきた「コミュニケーション課題」に対応するサービスのトレンド
とくに「コミュニケーション」の部分は、さまざまなサービスが世に出てきて価値を生み出してきてはいるが、まだどこも試行錯誤という印象です。 もちろん弊社でも課題は常に感じていて、どこを機械がやって、どこを人間がやるのか、というのはもっと突き詰めていきたいと思っています。
DXの流れは、表面的なプロセス改善よりももっと本質的に「使う人・ユーザー」にとっての価値追求の流れを加速していると感じます。
改めて、この分野は本当に面白い。ということを皆で確信しました。大人になっても何かしらを学びたい、成長していきたいという人は増え続けていて、そういう人にとって役に立つもの、成長を助けるもの、喜んでもらえるものを、これからも皆で作っていきます。